まず米、そして野菜

最初は離乳食の記録、途中からは読書の記録。

写真のコアラはコアラっぽくない。「どうぶつえん  ポプラ社のどうぶつずかん (4)」大高成元 写真

この本は、数年前、タカハシの実家への帰省中に、近所の古本屋さんに行って買ってきたものだ。 タカハシ家には絵本がない。そりゃそうだ、大人ばかりの家に絵本があるほうが稀だ。そのことを、すっかり忘れて、持っていくのを忘れてしまった。それで買いに行ったのだった。実家に置きっ放しにするにしろ、自宅に持って帰るにしろ、小さいほうが良かろうということで、手のひらサイズのこの本を選んできた。

パンダ、キリン、ライオン、シマウマと、おなじみの動物が取り上げられた写真絵本だ。絶版。この手の本は次々と新しいものが出るから、いま本屋さんに行けば、最新の写真が使われた、似たような本が手に入るはずだ。ともあれ、私たちが手に入れたのは、たまたま入った古本屋にたまたま置いてあったこの本で、狙って買うほうが難しいことを考えると、ちょっと面白い。機会があれば、新しいものと見比べてみたい。

作者は動物園動物の写真が専門の写真家さん。文章はなく、読むというより見る本だ。 

当時コハシはまだ1歳かそこらで、写真の絵本はこれが初めてだった。動物園に行ってもまだ反応が薄い頃だったから、当然、この本への食いつきも悪い。背景によく馴染む体色の、ゾウ、タヌキ、ニホンザル。絵本と違って、目鼻立ちも分かりにくいし、表情もない。特にコアラは、デフォルメされたイラストと実物とは余りに違う。写真のアフリカゾウが、お馴染みの「ぞうさん」と同じ生き物だと、ちゃんと伝わっただろうか。

義母は、ほぼ無反応のコハシを相手に、「ほらー、ぞうさんだよー。パオーン」と、嬉しそうに、全力で、読み聞かせをしてくれた。ありがたい。タカハシから、義母は本が好きではないと聞いている。読み聞かせに慣れていないとも。写真だけのこの本なら、義母も一緒に楽しめるかもと思ってはいたが、私が何も言わないうちから、一生懸命読み始めてくれて、なんかもう、コハシがこの絵本を気に入らなくても、この景色が見られただけで満足だわあ、という気分になった。

その後、この本は自宅へ持ち帰った。何度か読み聞かせるうちに、コハシは最後の「どうぶつのおいしゃさん」のページにだけ、良い反応をするようになった。獣医師と思われる男女が、チンパンジーの赤ちゃんに、聴診器を当てたり、ミルクをあげたりしている様子が写っている。後々よく話を聞くと、「この子、動物園で具合が悪くなっちゃったんだねえ」などと言う。なるほどそういう理解だったのか。 

どうぶつえん (ポプラ社のどうぶつずかん (4))

どうぶつえん (ポプラ社のどうぶつずかん (4))

 

 

↓同じ出版社・同じコンセプトの新しい本はこっちかな。 

どうぶつえん (てのひらしゃしんえほん)

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