まず米、そして野菜

最初は離乳食の記録、途中からは読書の記録。

コール&レスポンス一人相撲。「がたんごとんがたんごとん」安西水丸 著

安西水丸さんの絵の、きっぱりした色と形が気持ちいい。話運びも言葉の数も、絵と同じようにすっきり削ぎ落とされている。車両の絶妙な歪み。地面の緑と背景の白の鮮やかな対比。

黒一色の機関車が「がたんごとんがたんごとん」と進んでは、行く先々で「のせてくださーい」と待つ乗客を乗せていく。このリズミカルな繰り返しが、絵本を読み聞かせる大人にも読んでもらう赤子にも親しみやすいからか、生まれて初めて触れる絵本として「じゃあじゃあびりびり」「いないいないばあ」と並ぶ人気の高さだ。検診のときにプレゼントしてくれる自治体もあるらしい。うらやましい。

機関車は寡黙なので、「のせてくださーい」の声には特に応えない。黙々と乗客を乗せ、「がたんごとん」と進む。コハシも、読み聞かせる私の声には応えてくれない。黙々と続きを促される。「よしきた! せーの、のせてくださーい!!」などと煽っても反応は薄い。親と子の掛け合いを楽しみたいんですけど、駄目なんですかね……面白いと思うんですけどね……。

乗客はバナナやスプーン、猫など、身近にあるものばかりだが、なんといったらいいのか、少し、違和感がある。哺乳瓶の顔の位置はそこなのか。猫の乗る場所はそこでいいのか。レイアウトがすっきりしている分、ちょっとしたひっかかりがじわじわくる。

機関車は最後の最後で「さようなら」と去っていく。クールだ。コハシは「もっかいよんで」とだけ言う。気に入っているようで何よりだ。

がたん ごとん がたん ごとん (福音館 あかちゃんの絵本)

がたん ごとん がたん ごとん (福音館 あかちゃんの絵本)