一緒に読んでもらいたい。 「ぐるんぱのようちえん」 西内 ミナミ 著、堀内 誠一 絵
小さいときに大好きだった絵本がまだ読まれているのは嬉しい。この本は、背表紙に「読んであげるなら4才~自分で読むなら小学校初級向き」とあるとおり、少し文字が多い。コハシはまだ興味が湧かないようだ。読み聞かせたところでろくに見ない。それでもいい。本棚にあるだけで私が嬉しい。ああ、憧れの「とくだいびすけっと」。
タカハシは小学校初級以上だし自分で読めるだろう、と勧めてみたが、こちらも反応はイマイチだった。「ふーん」とペラペラめくっておしまい。つまらん。どうせなら一緒に面白がりたい。
そこで、タカハシが興味を持てるようにこの本の内容を紹介してみた。
◯かわいそうなぞうが自己実現を果たして充実した人生を手に入れるおはなしだよ!
◯本人の適正と職場とのミスマッチがどんなに不幸か啓発するおはなしだよ!
◯ニッチな技能にだけ特化してしまった技術者が、紆余曲折の末に自分にマッチした市場を発見するサクセスストーリーだよ!
「どうだい、読みたくならないかい」
これを聞いたタカハシは、目をそらせながら
「いろいろと言いたいことはある……しかし面倒くさいので明言はしたくない……」
と、本を棚に戻してしまった。つまらん。